皆さんは領収書をどのように保管されているでしょうか。
きちんと保管するに越したことはないですが、保管にどの程度の手間と時間をかけられるかにもよると思います。
まずは、何のために保管するのかを整理した上で、いくつかの保管方法を紹介したいと思います。
領収書を保管する目的は?
領収書を保管する目的は、後から不明点などがあったときに調べることを容易にするためです。
また、税務調査があった際にも、要求された領収書をすみやかに提示する必要があります。
保管状況が良くないと調査官の心証も悪くなってしまいますので、適切に保管することが大切です。
保管方法について
封筒を利用する方法
月ごと、支払方法ごとに区分した封筒に領収書を入れて保管する方法です。
この方法は紙に貼り付けたりする必要がないのでもっとも簡便的な方法です。
取引数がそれほど多くない段階ではこの方法もおすすめです。
封筒の代わりにバインダーに綴じられるクリアフォルダに入れることも考えられます。
ノートを利用する方法
A4サイズのノートを用意して、領収書を貼っていく方法です。
基本的には日付順などに従い貼っていくことになります。
封筒に入れるよりも紛失のリスクは低くなります。
ただし、後から過去の日付の領収書が見つかったときには順番の入れ替えがしにくいという面もあります。
台紙(A4)を利用する方法
台紙を用意して領収書を貼っていく方法です。26穴などのバインダーを併用すると順番の入れ替えや追加なども簡単です。
管理の精度を上げるためには、領収書に連番をふることで漏れを防止すること、会計帳簿の伝票番号を記入することで帳簿との相互参照を可能とすることが考えられます。
電子データで保管する方法
電子帳簿保存法という法律にもとづいて税務署に承認申請を出すことで帳簿や書類(領収書など)をスキャナ保存することも可能です。
「適正事務処理要件」と呼ばれる管理体制を整えることや画像データに「タイムスタンプ」を付すことが必要とされますが、ペーパーレスで保管できることは大きなメリットといえます。
「タイムスタンプ」はクラウド会計ソフトの機能などでもクリアすることができます。
また、平成28年度税制改正により要件が緩和され、一定の書類はスマホで撮影した画像で保存することも可能となっているほか、
小規模事業者では事業主と顧問税理士の二者だけで「適正事務処理要件」を満たすことも可能です。
領収書の保管期間について
法人の場合
法人の領収書などは申告期限から7年間保管することが必要です。
ただし、法人の欠損金を繰越控除するためには、最大9年間となる控除期間中は領収書などの書類を保管しなければなりません。
個人事業(白色申告)
個人事業で白色申告をしている場合は領収書などを5年間保管することが必要です。
ただし、他の帳簿や書類は7年間の保管が必要なものがありますので、可能であればそれに合わせて7年間保管すると良いでしょう。
個人事業(青色申告)
個人事業で青色申告をしている場合は、7年間の保管が必要です。
ただし、前々年の所得が300万円以下の場合は5年間の保管で良いとされています。
消費税の仕入税額控除
消費税の課税事業者(法人、個人)の場合、納付税額を計算する過程で差し引くことのできる仕入税額控除の根拠資料となる領収書は7年間保管することが必要です。
なお、6年目、7年目は他の帳簿があれば領収書の保管が必ずしも必要とはなりません。
まとめ
保管期間に関しては、上記をまとめると、法人では9年、個人事業では7年を目安にすると良いと思います。
保管方法は実施しやすい方法で始めて、徐々に管理のレベルを向上させるように努めましょう。