日本政策金融公庫の『創業融資』要点はココ!

日本政策金融公庫の『創業融資』要点はココ!
  • 「日本政策金融公庫に『創業融資』という融資があるのかと思っていた。」
  • 「公式HPにいったら、種類が多すぎてどれが自分に最適なのか分からない。」

そういった方も少なくありません。

日本政策金融公庫の創業融資について、起業時の基礎知識として解説します。

日本政策金融公庫は100%政府出資の金融機関

日本政策金融公庫は、国民生活金融公庫・農林漁業金融公庫・中小企業金融公庫・国際協力銀行(国際金融等業務)の4つの公庫が統合して発足しました。

別名「こっきん」とも呼ばれており、その呼び名が使われる事もまだあるようです。

現在の正式な略称は「日本公庫」です。

中小企業に必要な資金を融資する金融機関で、国が100%出資しています。
国民生活事業として、毎年約2万社に創業費用の融資を実行しており、金融業を除くすべての業種が対象です。

創業融資『新創業融資制度』とは、どんな制度?

起業予定者の方々に創業融資として最もよく知られているのが、『新創業融資制度』です。
無担保・無保証人という好条件の融資制度で、起業者向き融資なので、決算書の提出もありません。

実績がない起業したての会社にとって、担保や保証人が必要なく、準備や計画で審査を受けられるのは最大のメリットと言えるでしょう。

新創業制度の融資はハードルも高いので、逆に言うと、融資を受けることが会社の信用にもつながります。

会社が成長を続け、新たに融資が必要となったときに一度も融資を受けていない会社は、銀行からの評価が芳しくありません。

どこの銀行も貸さないのは、何か問題があるのでは?と判断することがあるのです。

創業期に、日本政策金融公庫から融資を受けている点が、実績として認められるのです。

新創業融資制度を選ぶ理由

無担保、無保証人

新創業融資制度を利用する際、家や土地を担保にしたり、保証人を立てたりする必要はありません。

無担保・無保証人で融資を受けられるので、万が一会社が倒産するようなことになっても社長の家・財産を借金のかたに取られてしまうリスクもなく、安心して融資を受けられます。

返済期間

新創業融資制度の返済期間は長く、設備資金が最長20年、運転資金が最長7年まで設定できます。

設備資金・運転資金ともに2年以内の据置期間も設けられているので、「創業してすぐに返済が始まると厳しい」という人は、この据置期間を利用すれば、2年間は利息のみの支払いにすることもできます。

低金利

新創業融資制度の大きな魅力のひとつが、金利の低さです。

金利は市場動向で変動しますが、おおよそ2%と思っておくと良いでしょう。

無担保・無保証人で、返済期間を長期に設定できる融資の金利としてはかなりの低金利と言えます。

新創業融資制度の融資条件

新創業融資制度を利用するには、下記のすべての要件に該当する必要があります。

創業の要件

・新たに事業を開始する方

(または事業開始後の税務申告を2期終えていない方)

雇用創出などの要件

・雇用の創出を伴う事業を始める方

・現在勤めている企業と同業種の事業を始める方

・産業競争力強化法に定める認定特定創業支援事業を受けて事業を始める方

(または民間金融機関と公庫による協調融資を受けて事業を始める方)

自己資金要件

融資金額の10分の1の自己資金が必要。

ただし実際には1/3は用意しなければ申請が通らない事が多い。

新創業融資制度の融資額

新創業融資制度の限度額は3,000万円(うち運転資金が1,500万円)です。

ただし、初回の融資で3,000万円を借りることは難しく起業の際に借りられるのは、1,500万円が上限と思っておいた方が良いでしょう。

融資の上限も、規定通り自己資金の9倍借りられる可能性は少なく、「自己資金の3~5倍」と思っておいた方が賢明です。

新創業融資制度の融資審査のポイント

新創業融資制度の融資審査を行う際、日本政策金融公庫の担当者は下記のポイントをしっかりとチェックします。

審査のポイントについては、融資元の日本政策金融公庫が、創業準備のチェックポイントとして公表しています。

公表されている項目は確実に抑えましょう!

創業理由

起業するにあたって、動機は明確ですか?

「なぜこの人は起業しようとしているのか?」というストーリーが明確に見えるかどうかは、融資の審査をする上で非常に重要なポイントです。

たとえば飲食店を開業するために融資を申し込む場合には

  • 経験年数
  • 店長としての経験など
  • どんな強みがあるか
  • こんな店が持ちたい

という熱い思いを担当者に積極的にアピールすることが大切です。

サービス内容コンセプト

企業や店舗を始める上でのコンセプトは、しっかりとありますか?

そのコンセプトのもとに、どんなサービスを展開するかという話の流れに筋が通っていることも、重要なチェックポイントです。

ターゲット立地

開業しようとしている予定地は、新規の顧客ターゲット層を獲得しやすい場所にありますか?

住民の特性やライフスタイルを把握した上で適切な立地を選んでいるかどうかを、担当者は見ています。

資金計画実現性 

起業者の資金計画が実現性の高いものであるかどうかも、審査の上で重要なポイントとなります。

  • 予想売上高の根拠を示すことができるか?過大になってはいないか?
  • 万が一利益が出なかった場合に、補填できる財源はあるのか?

さまざまな点から資金計画の実現性について、厳しくチェックされます。

収支予測の妥当性

事業計画がしっかりと立てられていて、そこに妥当性があることはお金を貸す側として当然こだわるポイントです。

経費を安く見積もり過ぎていないか、無理なく返済できるのかといった点も担当者は鋭く見抜き、指摘します。

何を言われても自信をもって返せるレベルになっておかないと融資は望めません。

新創業融資制度の審査期間は12か月

日本政策金融公庫に融資の申し込みをすると、その後「面談」→「審査結果の連絡」→「入金」といった流れで進みます。

面談から審査結果の連絡までは、約2週間。

それから契約書類が届き、書類を返送後に入金となるため、申し込みをしてから着金されるまでの期間として1~2か月は見ておいた方が良いでしょう。

まとめ

「新創業融資制度」についてお話ししましたが、いかがでしたか?

制度についてご不明な点や、質問などがありましたら、横浜のビジョン税理士法人にお気軽にご相談ください。

ビジョン税理士法人は、日本政策金融公庫と潤滑な連携をとっています。

申請を進める上での不明点や書類上の不備も、自分だけでは解決に時間がかかりますが、当事務所の強力なサポートがあれば、スムーズに開業を成功させることができます。
起業後の経営サポートにも自信がありますので、ぜひ会社のパートナーとして、ビジョン税理士法人にトータルサポートをお任せください。