レシートでも領収書になるの?

レシートでも領収書になるの?

飲食費などを経費処理するために、レジから出てくるレシートではなく、手書きの領収書をもらう必要はあるのでしょうか。今回は身近な経理の素朴な疑問を解説していきます!

基本的にレシートで大丈夫

個人事業の確定申告や、自身の会社の税務申告のために
領収書をもらおうとしている場合は、基本的にレシートで問題ありません。
ほとんどの場合、レシートは経費として処理するための記載項目をカバーしているからです。

レシートには印鑑がないことを気にする方がいるかもしれませんが、
印鑑は必須ではありません。
また、収入印紙を貼って消印する場合は、
いわゆる「領収書」のスタイルにする場合が多いと思いますが、
印紙の貼付と消印は、印紙税の納付という意味では必要なものですが、
領収書自体の効力に、影響を与えるものではありません。

なお、印紙税法では、たとえば売上の領収書(17号文書)の
記載金額5万円以上100万円未満であれば
200円の印紙が必要になります(同法別表1)。

また、印紙税の納付義務があるのは、「課税文書を作成した者」となっていますので、
印紙を貼るのは、お店側の責任ということになります(同法3条1項)。
納付方法は、印紙を貼付して消印することになっています(同法8条2項)。

領収書の記載事項は?

領収書が必要となる理由は、経費計上の根拠として日付や金額、
内容などを明らかにするためです。
したがって、レシートだけでなく、クレジットカードの利用明細、
WEB上の購入履歴画面、取引先とのメールを印刷したものなども
領収書代わりになります。

一般的な領収書の記載項目は下記のようになります。

  1. 宛名
  2. 発行年月日
  3. 金額
  4. 但し書き(商品やサービスの内容)
  5. 発行者(会社名、住所、連絡先など)
  6. 押印
  7. 収入印紙の貼付と割印(消印)

レシート、手書きの領収書で気を付けること

手書きの領収書では、詳細な商品やサービス名が記載されず、
「お品代」とだけ記載される場合もあるので、
何に使った費用なのかが不明確になることも考えられます。
そのような場合には、領収書にメモを書き加えるなどの工夫も必要となります。
特に、税務調査で内容について質問を受けた際に、
応えられるようにしておくという視点で、証拠類を保管しておくと良いでしょう。

なお、レシートの場合、感熱紙など紙質によっては、
時間とともに印字が消えてしまうおそれがあります。
重要なもので不安がある場合にはコピーを取って、
一緒に保管しておくなどの方法も考えられます。

交際費のためのメモ

交際費(接待飲食費)を計上するには、帳簿や書類に下記の事項を、
記載しなければならないことになっていますので、領収書にすべて記載しておくのも一法です。

  1. その飲食があった年月日
  2. その飲食に参加した取引先・得意先の氏名や名称と接待側との関係
  3. その飲食の支払金額と支払先の名称および所在地
  4. その飲食が飲食費であることを示すためのメモ

また、1人5,000円以下の飲食費を「会議費」として、交際費としての損金算入の
制限なく経費処理するためには下記の事項を記載した、
書類を保存しなければならないことになっています。

  1. その飲食等のあった年月日
  2. その飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名又は名称及びその関係
  3. その飲食に参加した者の数
  4. その費用の金額並びにその飲食店、料理店等の名称及びその所在地
  5. その他参考となるべき事項

つまり、これらの事項をまとめると、一般的な領収書の記載に加えて、参加者全員の氏名と所属を追記しておけば事足りるといえます。

まとめ

以上のように、必ずしも手書きの領収書を入手する必要はありません。
重要なのは、後からでも必要な情報を確認できることです。
また、損金として処理するための要件を満たす目的で、
領収書のメモ書きを活用するという方法も合わせて紹介させていただきました。