『道は開ける』デール・カーネギー

「精神が解放されるのは寝ている間だけ」。

そう悩んでいる方はこの本を読むと、「問題」と「解決策」を把握することが出来るようになり、自分の求める「日常」が返って来ます。

この『道は開ける』が、同著者による『人を動かす』とともに
自己啓発本、あるいはビジネス本の定番となり得たのは、
人間関係や悩みにおける真理ともいうべき普遍の事柄が綴られているからでしょう。

どの項目も、冷静沈着な指摘であり、反論の付きようのない中立的・客観的な視野から捉えられています。
以下では、書籍の中の名言ともいえるフレーズをピックアップし、内容を紹介していきます。

『いずれにしても、明日のことは配慮すべきである。細心の注意を払って計画し準備すべきである。だが心配するには及ばない。』(-Part1)

漠然と「取り返しのつかない大失敗をするのではないか」という不安を抱いていていませんか?
起こりうるトラブルを想定してリスクヘッジする事は大事ですが、気に病み過ぎると「現在」におけるパフォーマンスも落ちてしまいます。
『この24時間を最大限に活用しようと心に誓っていますか?』

『問題をある限度以上に考え続けると、混乱や不安が生じやすい』(-Part2)

決断し、実行し、そこからは絶対に振り向いてはならない、そういうタイミングを見逃してはいけません。
熟慮も時機を過ぎると、ただの考えすぎに陥り、かえって有害となる場合があります。
経営者はとくに、タイミングを掴むセンスが問われます。

『自然は真空を好まない』(-Part3)

何について書かれている項目かというと、「暇であると、余計で不要な考えが生まれる」という事です。
身を粉にして働いているうちは、絶望感にも打ち負かされることはありません。
しかし本来余暇をたのしむべき仕事後、「悩み」、「恐怖」、「憎悪」、「嫉妬」、「羨望」など荒々しい感情が沸き上がって来てしまう傾向があります。

『だれかに親切をほどこし、気づかれないようにしよう』(-Part4)

商売に役立つ話を知りたいのにモラルの説教か、そう感じた人こそ実践して欲しい内容が、根拠と共に述べられています。
周囲を顧みず長年いると、自分自身の中でも周りに関心がなくなっていき孤立、孤独になっていきます。
ワンマン社長として上手くいっていたとしても、『立派な人』を心がけることで失うものは無く、平穏がもたらされると結ばれています。

『世間が自分の幸福のために少しも力を添えてくれないと文句をつけて、不快と苦情に明け暮れる自己中心の小人ども』(-Part4)

この少々乱暴な言葉は、デール・カーネギーのものではなくバーナード・ショーの言葉として引用されています。
筆者には8歳、6歳、3歳の男児がおりますが、少し知恵をつけてきた長男がまさしく当てはまる言葉です。
今は8歳。10年間で多くの経験や知識や苦労を得て、自己や社会を俯瞰できる大人になってもらいたいものです。

自己啓発本の古典とも言える、定番中の定番である『道は開ける』。
しかし、それゆえに読むきっかけを失っている人は多いのではないのでしょうか。
ハズレの自己啓発本ほど、時間の無駄遣いに後悔し、腑に落ちない結論にモヤモヤをかかえるものはありません。
自己啓発本は認知度や社会評価に裏打ちされた、ある程度有名な著書を選ぶに限ると思います。

自己啓発本を求めている人にも、何か良い本を読みたいと漠然としている人にもこの著書はおススメです。