創業融資NG集

創業融資NG集

日本政策金融公庫の「新創業融資」や自治体の「制度融資」などの創業融資においては、「 これをやってしまうと審査上NG」となる注意点がいくつかあります。
以下では

「過去の履歴についての注意点」
「申し込み時の注意点」
「面接当日の注意点」

の3つに分けて解説したいと思います。

過去の履歴についての注意点

(1) 税金の未納や滞納は御座いませんか?

所得税、法人税、事業税などの税金について滞納や未納がある場合には融資の審査上問題視されます。
滞納や未納があるだけで融資不可となる場合もありますので、自身の状況を十分に確認しておく必要があります。
すでに開業している方で、所得税、住民税、法人税、事業税、消費税など、税金の未納や滞納がある場合には、融資を受けられる可能性が低くなります。
融資を受ける前には必ず未納や滞納分を全額支払って下さい。
※公庫では、支払った期日も見られますので、期日通りに支払っていない場合には、評価が下がってしまいます。

(2) 金融事故、カード事故は過去にありましたか?

金融機関などへの支払に関して延滞、滞納、支払猶予などの事故歴がある場合、審査上マイナス評価となります。
これらの事故情報は個人信用情報機関に記録され、情報の種類に応じて数か月から数年にわたり記録が残ります。
気になる場合は自身の個人信用情報について照会を行い、情報を確認してから融資の申込をするなどの対応も考えられます。

創業融資の際に、日本政策金融公庫では下記の機関から個人信用情報を取得して、融資申込者の信用情報を確認しています。

CIC
全国銀行個人信用情報センター
JICC

創業融資に際して、過去の金融事故に不安のある方は、ご自身で「CIC」「全国銀行個人信用情報センター 」「JICC」の三つの機関に、自分の情報がどのように登録されているのかを、必ず確認して下さい。

例外として、もし過去にクレジットなどの金融事故を起こした方でも、融資審査の可能性が「ゼロ」という訳ではありません。
クレジット事故から数年が経過していて、創業融資申込前に「金融事故が起こった経緯」、「返済出来なかった理由」を説明し、完済している事が説明出来れば、融資の可能性は残されています。
しかし、過去にクレジットブラックの経歴のある方は、融資審査が不利になることは事実ですので、ご注意ください。

融資担当者の信頼関係は大切です】
後ろめたい情報を隠すのではなく、素直に自分から開示して相談するという正直な姿勢が、融資担当者との信頼を構築するために大切です。
隠しても必ずバレますので、まずはご相談下さい。

(3) 水道光熱費や電話代などの公共料金や住宅ローンの引落しは、期日通りに払われていますか?

公共料金の住宅ローンの支払いが滞りなく行われている方は、融資をした後の返済が滞りなく行われるという証明になります。
後ろめたい情報を隠すのではなく、素直に自分から開示して相談するという正直な姿勢が、融資担当者との信頼を構築するために大切です。
創業前はせめて1年間は、公共料金や住宅ローンなどは滞りなく引き落とされるよう、注意して下さい。
なお、創業融資では、公共料金を支払った日もチェックされるので、期日通りに支払がされてないケースは、評価が下がります。

※よく年金を支払っていないとのご相談がありますが、日本政策金融公庫の融資面談で年金の資料を提出した事は、御座いません。今のところは年金の支払いは不問です。

(4) ノンバンク、消費者金融などでの借入

ノンバンクや消費者金融での借入は、住宅ローンや自動車ローンなどとともに借入金残高に加算されます。
それだけでなく、これらの機関から借入をしていること自体がマイナス評価となります。
特に、高金利となるキャッシング、ショッピング枠のリボ払いなどを利用している場合には、それらを返済してから融資の申込を検討するなどの対策も必要となります。

(5) 以前に融資を断られている

過去に融資の申込をして、一度断られている場合、断られてからの日が浅いと通常は融資を受けられません。
以前に融資を断られた要因を十分に分析し、態勢を整えてから融資を申し込むのが得策です。
具体的には少なくとも6か月以上は期間をあけて再チャレンジする必要があります。

(6) 会計ルールに従っていない処理

すでに決算を迎えている場合の話になりますが、決算書が会計ルールに従って作成されていない場合も審査上不利になります。
たとえば、固定資産の減価償却費は、税務上は任意に償却(費用化)できるようになっていますが、会計ルールでは毎年規則的に償却することが要求されます。
赤字を回避するために償却を停止するなどのテクニックは、融資の観点からは好ましくありません。
また、粉飾決算を疑われると、融資を受けること自体難しくなりますので注意しましょう。

申し込み時の注意点

(1) 基本的な条件を満たしていない

創業融資に申し込む際には、その制度の条件に合致しているか確認する必要があります。
たとえば、税務申告をすでに2期分行っている事業者は、日本政策金融公庫の新創業融資に申し込む資格がありません。(創業融資以外の融資制度はもちろん可能です)

(2) 融資対象外の業種ではありませんか?

風俗業、遊興娯楽業、金融業、保険業などは融資対象外になる事業を営んでいる場合も融資不可となります。
実際にその事業を営んでいなくても、会社の目的にそれらの業種を入れているだけで融資不可となる可能性がありますので注意が必要です。

(3) 根拠のない不自然な自己資金 「見せ金は99%バレます」

創業融資では自己資金をコツコツ貯めていることが大切な要件となります。
「見せ金」のような形で、無理やりどこかから調達してきた資金は見せ金と見なされ自己資金にはカウントされません。
創業融資では自己資金は融資額の1/10が必要となっていますが、実務上は1/3程度は自己資金が準備されていると融資の審査が通りやすくなる傾向にあります。
なお、美容店や飲食店のケースでは、サラリーマン時代の給与額が低く抑えられている事が通常ですので、自己資金を100万円程度貯めた場合でも、他の業種よりは高い評価になる傾向があります。
なお、自己資金のうち一部を親族から資金の提供を受けた場合、親族からの借入も自己資金に認めてもらえるケースが多くあります。
ただ、自己資金として親族から借入する金額が、創業における自己資金の全額ではなく、2/3程度は自分でコツコツと会社員のときの給与額から貯金を行い、自己資金のうち不足している一部、1/3程度の範囲内であれば自己資金として認められるケースもあります。

(4) 会社設立時における資本金の見せ金

上記(3)と同様に、見せ金によって資本金を水増ししている場合、金融機関などからの信用を失い、創業融資のみならず、金融取引全般について制限を受ける可能性があります。
見せ金というのは、会社設立時において、他者から借り入れた資金を資本金として拠出し、会社設立後、その資金を引き出して返済する行為のことを指します。
登記実務上は資本金を増やすことができても、融資審査の際には通帳などで入出金まで確認されますので、見せ金などの行為は発覚します。

(5) 資金使途

一般に、融資の審査では、資金使途が重要視されます。
創業融資では、商品仕入などに使用する「運転資金」、店舗設備や製造用機械などに使用する「設備資金」に対して融資を受けることができます。
これに対して、事業との関連が不明確な資金、店舗兼住宅の住宅部分に使用される資金、資本金などに充当される資金、赤字補填や生活費に充てられる資金などは融資の対象とはなりません。

(6) 提出資料における空欄

創業融資の際には、融資申込書、創業計画書その他の資料の提出が必要となります。
これらの資料で空欄が目立つと経営者としての姿勢に疑問を持たれ、融資担当者の心証が悪くなる可能性があります。
不利と思われる情報についても、隠すという姿勢ではなく、誠実に情報開示するとともに、自己アピールに利用できる欄は積極的に利用するというスタンスが重要といえます。
また、創業計画書の作りこみが不完全で十分でなく、「なんとなく開業したいからお金を貸してください」という気持ちで書いた計画書であれば、融資が受けられる可能性は非常に低いです。

面接当日の注意点

(1) 当日の服装や態度

服装については必ずしもスーツを着ていく必要はありません。
しかし、金融機関に面接に行くのに過度に派手な服装や華美な服装をして行くことは社会人としての常識を疑われる可能性があります。
また、面接を受ける際の態度も経営者としての資質を見る上で参考にされます。
融資担当者の心情的な部分に関わりますので、相手が不快にならないような服装や態度を心掛けることが大切です。

(2) 根拠のない希望額や回答内容

融資希望金額は創業計画書と整合したものであり、資金使途が明確に説明できる必要があります。
「いくらでも良いので、なるべく多く借りたい」などの根拠のない回答では、融資判断ができないのと同時に、創業計画書や事業の見通しも根拠がないものと判断されかねません。
また、融資担当者から質問された事項がすぐにわからない場合は適当に回答するのではなく、「今はわからないので調べてから連絡します」など誠実に対応することが大切です。

(3) 第三者が同席すること

融資の面接には、税理士が日本政策金融公庫と連携して融資を支援しているケースを除いて、1人で臨むことが基本となります。
なお、公庫と提携していない資金調達アドバイザーやコンサルタントなどが同席することはおすすめできません。
第三者が同席して、経営者の代わりに創業計画書の内容などについて回答することは、経営者としての能力や自主性がないと判断される可能性が高いといえます。

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