創業融資制度とは?

「日本政策金融公庫の創業融資制度」と「自治体の創業融資制度」のメリット・デメリット【比較】

創業を予定している方にとって、創業資金をどのように調達するかは頭を悩ませる問題です。
創業するまでの貯蓄、親族からの借入などともに、創業融資を受けることを考える方も多いかと思いますが、起業家が活用する創業融資制度について解説します。

主な創業融資制度は2種類

創業する方が活用できる融資制度は、代表的なものは二種類があります。

・「日本政策金融公庫の創業者向け融資」
・「自治体の創業者向けの制度融資」

(1) 日本政策金融公庫の創業融資制度<お勧め!!>

日本政策金融公庫は、公庫と名がつくように政府系の金融機関です。
前身である国民生活金融公庫の時代から、創業者向けの融資を取り扱ってきました。
新たな産業や企業家の創出のため、民間の企業に比べて創業者に対して積極的に融資の取り組みをしてもらえます。

(2) 信用保証協会の保証を受けた上での、銀行からの創業融資制度

銀行や信用金庫などの金融機関から創業融資を受ける場合は、信用保証協会の保証を受けることが条件となることが大半です。
信用保証協会は各都道府県にあり、横浜市など一部その市のみを対象とする保証協会もあります。
創業融資の保証については、国が定めた条件のものと各都道府県や市町村ごとに定められた条件のものがあります。保証制度が同一である場合、どこの金融機関で融資を受けても借入条件はほとんどの場合は同じです。

日本政策金融公庫の創業融資のメリットとデメリット

(1) メリット

① 創業者にとって利用しやすい制度である
日本政策金融公庫の創業融資の制度にはいくつか種類があります。
女性や30歳未満の若者などを対象とした制度や、過去に事業に失敗した人が再挑戦するための制度もあります。
現在、創業者にとって魅力的な制度として、無担保・無保証(法人の場合の代表者の保証もなし)で融資を受けることができる制度があります。
金利や融資限度額の限度額の条件が担保や保証人がある場合よりも悪くなりますが、何よりも第三者に迷惑をかけずに融資を受けることができるという点で魅力があります。

② 自己資金要件が緩い
日本政策金融公庫の創業融資は自己資金要件が緩いという特徴があります。
求められる自己資金は、必要資金のうち1/10以上となっています。
この条件は信用保証協会の制度融資などと比べて非常に緩いものです。

② 無担保・無保証人
日本政策金融公庫の創業融資制度の特徴として大きいのは、無担保・無保証人という制度です。融資は通常社長が保証人になり、時には担保を提供して融資を受けますが、日本政策金融公庫の創業融資では、担保と保証人の両方が不要です。
この無担保・無保証というメリットだけでも十分、日本政策金融公庫の創業融資制度をお勧めする理由となります。

③ 審査、融資実行までの時間が早い
一般的な融資は、ご相談から融資実行まで1~2ヶ月程度掛かりますが、日本政策金融公庫の創業融資制度は早い場合では3週間、通常でも1か月~1か月半程度で融資実行まで行われます。

④ そもそも、創業融資を受けやすい
創業融資の審査基準は、自治体の創業者向けの制度融資と比べて、日本政策金融公庫の創業融資制度の方が審査が通りやすい印象です。

(2) デメリット

① 金利が若干高い
信用保証協会の制度融資に比べて、若干金利が高い傾向にあります。

② 融資審査の際、チェックされる書類が多い
審査のスタンスの違いによるものですが、信用保証協会の制度融資に比べてチェックされる書類が多い傾向にあります。
住宅ローンなどの借入金の返済状況のほか、電気代や水道代、生命保険料が毎月きちんと支払われているかなどもチェックされます。

信用保証協会の保証を受けた制度融資のメリットとデメリット

(1) メリット

① 金利が安い
都道府県や市町村の制度によりますが日本政策金融公庫の創業融資に比べ、貸出金利が安い傾向にあります。
信用保証協会の保証を受ける場合、金融機関への金利のほかに信用保証協会への保証料を支払う必要があります。
ですがこれらを合わせても、日本政策金融公庫の創業融資の金利に比べて安くなることが多いです。

② 今後の事業の発展に繋がる可能性がある
保証協会の保証付きであるとはいえ、銀行等から融資を受けることになるので、その銀行との繋がりが生まれます。
今後事業が成長し、借入金も着実に返済していけばその銀行等に対して信用が生まれます。将来、事業拡大のための融資が必要になった際に良い条件で借入をできることができるかもしれません。
また、銀行等と良好な付き合いをしておけばビジネスマッチングの機会があるなど副次的なメリットも生まれる可能性があります。

(2) デメリット

① 自己資金要件が厳しい
制度によって違いはありますが、一般的に自己資金の要件が厳しいと言われています。必要資金の1/2の自己資金を求められる場合もあります。創業者にとってこれは非常に厳しい条件であると思います。

② 融資の実行まで時間がかかる
信用保証協会の保証付き融資の場合、保証の承諾があってからの融資実行となります。
この点で日本政策金融公庫に比べて融資実行までに時間がかかる傾向にあります。
創業融資の場合は金融機関、信用保証協会の担当者双方との面談が必要なので猶更時間がかかります。
ただし3月を挟む場合、信用保証協会や銀行の予算や業績目標との関係で驚くほど速く審査が下り、融資が実行される場合もあります。
申し込みから融資実行まで2週間かからなかった例もあるほどです。

※鈴木税理士事務所では、相談開始から融資実行までの期間が短く、無担保・無保証人の制度があり、そして創業者にって心理的な負担が少なく融資が受けやすい、日本政策金融公庫の創業融資制度をお勧めしております。

日本政策金融公庫と神奈川県信用保証協会・横浜市信用保証協会の創業融資制度の比較

創業融資制度は「日本政策金融公庫の創業者向け融資」と「自治体の創業者向けの制度融資」の二種類があります。
さらに、神奈川県の「横浜市」で創業予定の方を一例として挙げさせて頂くと、横浜市内で開業を予定されている方は、「自治体の創業者向けの制度融資」について『神奈川県信用保証協会』と『横浜市信用保証協会』の二つの選択肢があります。
そこで、新規創業者が一般的に利用する「日本政策金融公庫」の新創業融資と「神奈川県信用保証協会」並びに「横浜市信用保証協会」の創業・開業支援融資について比較します。

日本政策金融公庫・神奈川県信用保証協会・横浜市信用保証協会の創業融資の比較表
日本政策金融公庫 神奈川県信用保証協会 横浜市信用保証協会
新創業融資 創業支援融資 創業おうえん資金
利用
条件
次の1~3のすべての要件に該当する方

1.創業の要件
新たに事業を始める方、または事業開始後税務 申告を2期終えてない方

2.雇用創出、経済活性化、勤務経験または修得技 術の要件
次のいずれかに該当する方
(1)雇用の創出を伴う事業を始める方
(2)技術やサービス等に工夫を加え多様なニーズに対応する事業を始める方
(3)現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方で、次のいずれかに該当する方
(ア)現在の企業に継続して6年以上お勤めの方
(イ)現在の企業と同じ業種に通算して6年以上お勤めの方
(4)大学等で修得した技能等と密接に関連した職種に継続して2年以上お勤めの方で、その職種と密接に関連した業種の事業を始める方
(5)既に事業を始めている場合には、事業開始時に(1)~(4)のいずれかに該当した方

3.自己資金の要件
事業開始前、または事業開始後で税務申告を終えていない場合は、創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金(注1)を確認できる方。
次のいずれかに該当する方

創業支援融資
1,現在、事業を行っていない開業前の個人で、次のいずれかに該当する創業者
① 1ヶ月以内に新たに個人事業を開業予定の方
② 2ヶ月以内に新たに法人事業(NPO法人を除く)を開業予定の方
2,開業してから5年未満の中小企業者(NPO法人を除く)

創業特例
上記1または2に該当する方のうち、
3,融資申込前に商工会等の経営指導を受け、かつ、融資実行後概ね2回以上の経営指導を受ける方
4,国が認定した市町村の特例創業支援事業を利用した方
(開業前の場合は、開業の6ヶ月前から利用可)
次のいずれかに該当する方

これから創業する方で、具体的な事業着手が認められ、次のいずれかに該当する方(現在事業を営んでいない方に限る)
(1)1か月以内に市内で個人事業を開始する方
(2)2か月以内に市内で会社を設立し事業を開始する方
※特定創業支援事業(※)の支援を受けた旨の証明を受けた方は6か月以内となります。

既に創業されている方で、次のいずれかに該当する方(当該事業の開始時に他の事業を営んでいない方に限る)
(1)市内で個人事業を開始し5年未満の方
(2)市内で会社を設立し5年未満の方
(3)市内で個人事業を開始したのち、同一事業で会社を設立した方で、かつ個人事業を開始してから5年未満の方
※上記2(3)については、責任共有制度の対象となります。

事業を継続している会社により新たに市内で設立(分社化)された会社で、設立の日から5年未満の方(市内で事業を継続しつつ、新たに市内で会社を設立(分社化)する方を含む)
※NPO法人は利用不可
資金
使い道
事業開始時または事業開始後に必要となる事業資金 運転資金・設備資金・借換資金 運転資金及び設備資金
融資
限度額
3,000万円
(うち運転資金1,500万円)
2,500万円
(開業前の場合、1,000万円(4の場合は1,500万円)までは自己資金の制限がなく、1,000万円を超える分は自己資金と同額の範囲内となります。)
※4の場合は、3,000万円となります。
2,500万円以内
(特定創業支援事業(※)の支援を受けた方は、3,000万円以内)
ただし、女性おうえん資金、シニアおうえん資金との合計金額とする。
なお、市保証協会の創業関連保証を活用する場合は1,000 万円(特定創業支援事業(※)の支援を受けた方は、1,500万円)、創業等関連保証を活用する場合は1,500 万円を保証限度額とする。(併用可)
返済
期間
各種融資制度で定めるご返済期間以内 1年超10年以内(据置期間1年以内を含む)
分割返済
運転資金:7年以内設備資金:10年以内
(据置12か月以内を含む)
利率 年2.35%(基準利率)
※基準利率より低くなる場合があります(特利)
年2.0%以内
※創業特例の場合は、年1.6%以内
年1.9%以内
担保
保証
・担保:原則不要
・保証人:原則不要
(但し、法人で代表者が保証人となる場合、利率0.1%減)
・担保:原則不要
・保証人:法人の代表者を除き原則不要
・担保:原則として不要
・保証人:原則として、法人は代表者を連帯保証人とし、個人事業主は不要。

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© 鈴木税理士事務所 鈴木宗也 横浜の創業融資・会社設立専門税理士 l 開業・起業支援

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